アビオメッド、ドア・ツー・アンローディングのプロスペクティブ・フィージビリティ・スタディでFDAからIDEの承認を取得

この研究では、心原性ショックを伴わないSTEMI患者に対してインペラCP (Impella CP®) を用いて左心室の負荷を除去することの安全性と実行可能性を評価する


米国マサチューセッツ州ダンバーズ発, Oct. 28, 2016 (GLOBE NEWSWIRE) -- 画期的な心臓循環補助・回復テクノロジーの有力プロバイダー、アビオメッド・インク(Abiomed, Inc、NASDAQ:ABMD) は本日、米国食品医薬品局 (FDA) が、心原性ショックを伴わないST上昇心筋梗塞 (STEMI) 患者に対して一次経皮的冠動脈インターベンション (PCI) の前にインペラCP (Impella CP®) 心臓ポンプを使用して左心室の負荷を除去するプロスペクティブ・フィージビリティ・スタディ (実行可能性予測調査) を承認したと発表した。この試験は、実行可能性と安全性に注目するとともに、STEMI患者における再潅流傷害 (血行再開時の心筋障害の加速) に関連する梗塞のサイズに対して負荷の除去が与える影響を測定するための将来的な試験の基礎を築くものである。

インペラ (Impella®) 心臓ポンプは現在、心原性ショックを伴わないSTEMI患者への使用については承認されていない。心不全患者に占めるSTEMI患者の割合は増大しており、左心室の負荷除去を行うインペラ・ポンプが新しい有力な適応症である可能性がある。

STEMIは、主要な心臓動脈の閉塞により心臓への酸素供給が阻害されることに起因する心臓発作の一種である。年間96万5千人が心臓発作を発症すると推定されており1、そのうち約20万件はSTEMIと分類されている2。現在の標準治療はドア・ツー・バルーン(「DTB」)と呼ばれるバルーン血管形成術である。ガイドラインにおけるSTEMIの推奨治療は、最初の診療後90分以内に一次PCIで血行再開 (閉塞した動脈を開く) を行って心筋への酸素供給を回復させることである。現在、こうしたガイドラインがあるにもかかわらず、初めて急性心筋梗塞 (AMI) を起こした患者の76%は、5年以内に心不全を起こしている3。さらに、最初の心臓発作後5年以内に男性の36%、女性の47%が心不全で死亡している1。2030年までに心不全患者が8百万人に増加し、関連費用も巨額になると推定されている4。心臓発作後の生存率はDTBプロトコールの成功により改善されたが、この治療が心不全の蔓延拡大につながっていることが憶測されている。

「急性心筋梗塞にインペラCPシステムを用いたドア・ツー・アンローディング (DTU)によって梗塞のサイズを縮小する」という研究は、研究責任医師であるタフツ医療センター (Tufts Medical Center) のネイヴィン・ K・カプール博士 (Dr. Navin K. Kapur) およびヘンリー・フォード医療センター (Henry Ford Medical Center) のウィリアム・W・オニール博士 (Dr. William W. O'Neill)が中心となって実施される。この研究は複数のセンターにまたがるフィージビリティ・スタディ (実行可能性調査) である。この研究は10施設にて50人の患者を対象に2017年前半に始まり、18カ月以内に完了する見込みである。

研究の一次エンドポイントでは、PCIの30日後に心臓磁気共鳴画像法 (CMR) を使用した左心室の質量パーセンテージとして梗塞のサイズを評価する。患者には、即時の一次PCIを行ってインペラCPを設置するか、一次PCI前に30分間の負荷除去を行ってインペラCPを設置するかのいずれかを無作為に割り当てる。このフィージビリティ・スタディは、安全性とプロトコールを調査するためのものであり、統計上の有意な差異を示す規模には設定されていない。

ネイヴィン・カプール博士は次のように述べている。「臨床医および科学者である私たちは、このフィージビリティ・スタディがFDAによって承認され、喜ばしいことだと思っています。閉塞した冠動脈を開く前に機械的に心臓の動作負担を除去することで、心筋損傷を低減し、その後の心不全の発生率を減らすことができるかどうかをさらに調査する所存です」

ウィリアム W. オニール博士は次のように語っている。「心臓壁の前面に大きな心筋梗塞のある患者のほとんどは、5年以内に鬱血性心不全を起こしています。一次PCIによる再潅流のプロセスで、患者の臨床アウトカムを改善できる可能性のある、心筋の再潅流傷害をターゲットにする新しい治療戦略について調査すべきです」

広範なメカニズム調査に基づく仮説的研究では、PCIの前に左心室の負荷を除去することにより心筋の動作負荷と酸素需要が低減し、心臓保護効果を生むほか、血行回復時の再潅流傷害による心筋損傷を抑えられると考えられている。

アビオメッドの会長、社長兼最高経営責任者マイケル・R・ミノーグ (Michael R. Minogue) は次のように述べている。「アビオメッドでは、患者への効果を改善するために画期的な研究に投資することを重視しています。弊社では、心筋の傷害を低減することが心臓の回復の鍵であり、これは心不全を回避するほか、患者の生活の質を改善し、医療費削減にもつながると確信しています」

インペラCPは経皮カテーテル方式の血液ポンプであり、単一の大腿動脈または腋窩動脈経由のアクセスにより左心室で動脈弁の間に配置して全身の血液循環を補助することができる。この器具は、左心室から上行大動脈に平均流量3.5L/分で送血する。

  1. “Heart Disease and Stroke Statistics 2016 Update: A Report from the American Heart Association Statistics Committee and Stroke Statistics Subcommittee.”(Circulation.2016; 133(4); 38-360).
  2. "Recent Trends in the Incidence, Treatment, and Outcomes of Patients with ST and Non-ST-Segment Acute Myocardial Infarction," (Am. J. Med.2011; 124(1); 40-47).
  3.  “Declining In-Hospital Mortality and Increasing Heart Failure Incidence in Elderly Patients With First Myocardial Infarction,” (J. Am. Coll.Cardiol.2009; 53(1); 13-20).
  4. “AHA Policy Statement: Forecasting the Impact of Heart Failure in the United States.”(Circulation.2013.)

インペラについて
インペラ製品は、患者のヘモダイナミクスを安定化すると同時に心臓の負担を取り除くという独自の機能を提供し、心筋を休ませることにより本来の機能が回復する機会を与える。インペラ2.5は、2015年3月にハイリスク PCI用に対してFDAの PMA(市販前承認)を取得した。インペラ2.5、インペラCP、インペラ5.0は、心臓手術前後の急性心筋梗塞/心臓発作における心原性ショックのために、FDAのPMAを取得した。これらは、心原性ショックの適応症で安全かつ有効であるとしてFDAからの承認を得た初の、しかも唯一の経皮的臨時心室補助装置である。インペラ2.5、インペラCP、インペラ5.0、インペラLD、インペラRPで構成されるインペラ製品のポートフォリオは、米国で4万人に上る患者をサポートしてきた。 

ABIOMEDのロゴ、ABIOMEDImpellaImpella CPImpella RPは米国および一部の外国においてアビオメッド・インクの登録商標である。Impella 2.5Impella 5.0Impella LDProtected PCIは、アビオメッド・インクの商標である。

アビオメッドについて
米国マサチューセッツ州ダンバーズに本社を構えるアビオメッド・インクは、循環補助用医療機器のリーダーとしての位置付けを獲得したプロバイダーである。同社製品は、血流改善および/または心臓のポンプ機能を代行することで心臓を休ませるよう設計されている。詳しい情報は、以下のウェブサイトを参照のこと:www.abiomed.com

将来の見通しに関する記述
本リリースには、アビオメッドの既存製品および新製品、商業的成長に関する同社の進捗状況、将来の機会および予想されている規制関係の承認についての記述を含めた、将来の見通しに関する記述が含まれている。同社の実際の成績は、複数の要因に基づきこれらの将来の見通しに関する記述とは大きく相違する可能性がある。これらの要因には、開発、テスト、関連した規制上の承認に関連する不確実性 (将来のロスを含む)、複雑な製造、高品質要件、限られた供給源への依存性、競争、技術的変化、政府の規制、訴訟関係の事項、今後の資本的ニーズ、追加の資金提供に関する負荷確実性、フォーム10-Kで提出された最新の年次報告書およびフォーム10-Q (Form 10-Q) で提出された四半期報告書を含めた同社の米国証券取引委員会への提出書類に詳述されているその他のリスクが含まれる。読者には、本リリースの時点のみの状況に基づいた将来の見通しにを表す記述に不適切に依存しないように警告する。同社は、本リリース日以降に生じる出来事や予期せぬ事態を反映し得る、将来の見通しの修正版を公開する義務を一切負うものではない。

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イングリッド・ゴールドバーグ (Ingrid Goldberg)
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ir@abiomed.com