プロリンクスと第一三共、眼で小分子の半減期を延長させる技術の開発を発表


サンフランシスコ発, Aug. 30, 2018 (GLOBE NEWSWIRE) -- プロリンクス (ProLynx) と第一三共株式会社 (Daiichi Sankyo Company, Limited) は本日、TVST誌に「A controlled release system for long-acting intravitreal delivery of small molecules (小分子の長期作用性硝子体内送達のための放出制御製剤) 」という論文を掲載したことを発表した。この研究では、小分子薬の硝子体内半減期を、抗体やPEG化アプタマーなどの高分子の硝子体内半減期に匹敵する程度まで延長する技術について述べている。

硝子体内 (IVT) 注射は、眼の多くの疾患のために重要な薬物送達方法である。IVT注射は、全身曝露を最小限に抑え、他の方法では達成できない眼内薬剤曝露を可能にする。しかし、IVT療法は侵襲的な手法であり、しばしば長期的に注射を繰り返す必要があるため、IVT薬では長いIVT半減期および投与間隔が必要とされる。

過去には、小分子治療薬のIVT注射は硝子体での半減期が短く頻繁な注射が必要であったため、慢性眼疾患の治療には実用的ではなかった。本研究では、小分子薬物を開裂可能なリンカーを介してナノ分子40kDa PEGに結合させた。大きなナノ分子は、硝子体内の小分子を長期間にわたり維持し、付着した薬物が自己開裂リンカーによって徐々に放出される。このアプローチを用いて、ウサギの眼における小分子補体D因子阻害剤の半減期が10倍延長された。この技術はヒト硝子体内の小分子薬物を維持することができる可能性があり、高分子薬物に匹敵する約1ヶ月間隔での硝子体内注射が可能になるかもしれない。

プロリンクスの共同設立者兼社長であるダニエル・サンティ (Daniel Santi) は次のように述べている。「この研究は、小分子治療の硝子体内半減期を延長させる斬新なアプローチについて報告していて、それはヒトにおいて適切な治療濃度域の強力な小分子を月1回の頻度で硝子体内注射で投与するというものです。」

プロリンクスについて: プロリンクス (ProLynx LLC) はカリフォルニア州サンフランシスコを拠点とする、小分子、ペプチド、タンパク質の長時間作用のための独自の放出制御製剤の開発を行っている株式非公開のバイオテクノロジー企業である。同社はその技術を応用して製薬会社の候補薬の半減期延長と特性向上を実現し、特許期限切れの医薬品の特性強化を行っている。同社の前臨床ポートフォリオには、月1回投与型GLP-1受容体アゴニスト、長期作用型皮下オクトレオチドが含まれ、また、DNA損傷応答エンハンサーであるPEG~SN-38は第1相臨床試験中である。詳しくは、www.ProLynxllc.comを閲覧されたい。

第一三共について: 第一三共株式会社 (Daiichi Sankyo Company, Limited) は、医療上のアンメットニーズに対応する画期的な医薬品の創薬・供給を専門にしている。100年以上にわたる科学的ノウハウを備え、20ヶ国以上に拠点を持つ第一三共は、革新における豊かな実績を駆使して新薬の開発パイプラインを維持している。同社では、高血圧と血栓性疾患用の強力な医薬品ポートフォリオに加え、オンコロジーの新規治療の実現、および疼痛管理、神経変性疾患、心臓病、腎臓病、希少疾患などの新境地における研究開発に注目している。詳しくは、www.daiichisankyo.comを閲覧されたい。

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