ルモーティブ、自律走行車を実現する高性能LiDARを発表

特許取得済みのビームステアリング技術は、液晶メタサーフェス (Liquid Crystal Metasurfaces™) と半導体製造を活用してLiDARの性能、信頼性、およびコストを向上させる


ワシントン州シアトル, March 21, 2019 (GLOBE NEWSWIRE) -- ビル・ゲイツ (Bill Gates) から資金提供を受け、自律走行車用LiDARシステムを開発しているスタートアップ企業のルモーティブ (Lumotive) は本日、自律運転車の新興市場のためのLiDARシステムの性能、信頼性、およびコストを大幅に改善する画期的なビームステアリング技術を発表した。当初ロボタクシー市場をターゲットにしていたルモーティブの特許取得済みシステムは、液晶メタサーフェス (Liquid Crystal Metasurfaces: LCM™) およびシリコン加工を使用することで、抜群の水準の製造効率を達成すると同時に、前例のない範囲と解像度、フレームレートを実現している。

ルモーティブの共同創設者兼CEOのウィリアム・コレラン博士 (Dr. William Colleran) は、次のように述べている。「ルモーティブのソリューションは、車両でより安全かつコスト効率の高い知覚ソリューションを求めている自動車メーカーおよびティア1企業に最適です。当社のLiDARセンサには可動部がなく、また、大きな光学口径、広い視野、および高速スキャンを同時に提供するビームステアリングLCMの独自の特性から大きな効果を得ます。LCMは、ADASと自律走行車の両方にLiDARを採用する際の障壁を最終的に排除することができる高い性能と商業的実行可能性の組み合わせを提供します。」

なぜLiDARなのか
LiDARは、自律走行システムやいわゆるADAS (Advanced Driver Assistance System、車線維持、自動ブレーキ、衝突回避などのシステムなどを含めた先進運転支援システム) を実現する重要な3Dセンシング技術として浮上している。現在、ほとんどのLiDARシステムは機械的スキャンに依存しており、低信頼性、コスト、およびフォームファクタの問題に苦しんでおり、最大の難点として既存のシステムの性能を制限している。これとは対照的に、ルモーティブの革命的なビームステアリング技術は、メタマテリアルの光線曲げの原理に基づいてレーザーパルスをステアリングする半導体チップであるLCMを使用する、LiDAR初のものである。ルモーティブのLCMは、半導体製造の経済性効果を得て低コストのシステムを可能にすると同時に、LiDARの知覚を向上させる大きな開口部を備えている。ルモーティブのLCMチップは可動部品を含まず、成熟したCMOS製造と液晶ディスプレイのパッケージングを使用して製造され、低コスト、高信頼性、小型の商業的に実現可能なLiDARシステムを実現する。

2019年第3四半期には、ベータテスト用に一部の顧客に初期量産ユニットが提供される。

市場機会
ロボット、ドローン、産業用オートメーションなど、さまざまな市場で知覚を高めるためにLiDARシステムが広く展開されるであろうが、ほとんどのオブザーバーは、近未来にはADASと完全自律運転システムを可能にする自動車市場でのLiDAR応用に最大の見込みがあると考えている。これらの完全自動運転システムは、当初にアルゴAI (Argo AI)、オーロラ (Aurora)、メイ・モビリティ (May Mobility)、ウーバー (Uber)、Google (グーグル) のウェイモ (Waymo) などによって開発中の自律運転タクシーサービス (いわゆるロボタクシー) で導入される。

マーケットリサーチと戦略コンサルティングの専門企業であるヨール・デベロップメント (Yole Développement) のテクノロジー&マーケットアナリスト、アレクシス・デブレイ博士 (Alexis Debray, PhD.) は次のように述べている。「先進運転支援システム (Advanced Driver Assistance Systems: ADAS) とロボットカーの用途に特化したLiDAR市場は、2018年から2024年に7億2,100万米ドル (約796億円) から63億米ドル (約7,000億円) に大きく成長しています。当社では、この期間中にCAGRは45%近くに達すると予測していて、ロボット自動車とADASアプリケーションの両方において、輸送セクターにおけるLiDARの大幅な成長を見込んでいます(1)。ルモーティブのような独自のメタマテリアルベースの技術を持つビル・ゲイツ出資のスタートアップ企業は、この成長市場に対応するのに適しています。」

(1) 出所: LiDARs for Automotive and Industrial Applications report (自動車用・産業用LiDARについての報告書)、ヨール・デベロップメント (Yole Développement) 2018年

ルモーティブについて
ルモーティブ (Lumotive) (www.lumotive.com) は、2018年にマイクロソフト (Microsoft) の創設者であるビル・ゲイツ (Bill Gates) からの資金提供を受けて設立された、自律走行車向けの高性能LiDARシステムを開発しているシアトルに拠点を置くスタートアップ企業である。同社のLiDARソリューションは、特許取得済みの液晶メタサーフェス (Liquid Crystal Metasurfaces™) をベースにした革新的なビームステアリング技術を活用して、高性能 (範囲、解像度、フレームレートで測定) と広範囲にわたる普及の準備 (コスト、信頼性、サイズ) という前例のない組み合わせを実現する。

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