トライマックス、控訴審でウィックファイヤに重大な勝利

第5巡回区控訴裁判所は、トライマックス・メディア (TriMax Media) がウィックファイヤ (Wickfire, L.L.C.) に対していかなる法的違反も犯していないとする決定的な判決を下した。また、ウィックファイヤが意図的にトライマックスの事業を妨害したとする陪審の事実認定を認めた。


ダラス発, March 09, 2021 (GLOBE NEWSWIRE) -- 7年に及ぶ訴訟の末、トライマックスがウィックファイヤに勝利。

2021年2月26日、控訴裁判所は、ウィックファイヤのトライマックスに対する申立てにはこれを裏付けるだけの証拠が欠けているとする、重要な判決を下した。この判決は、米国第5巡回区控訴裁判所の事件番号17-3043040について下されたものである。控訴裁判所の判決により、ウィックファイヤに認められていた従前の金銭的損害賠償は、すべて破棄された。

テキサス州西部地方裁判所で事件番号14-CV-34として最初に提起されたこの訴訟は、トライマックスやウィックファイヤなどの企業が広告スペースを争うオンラインオークションプラットフォームである、グーグル広告オークション (Google AdWords Auctions) を軸として争われたものである。ウィックファイヤは、トライマックスに対して無数の申立てを行ったが、そのすべてについて最終的に敗訴した。

  • ウィックファイヤは、トライマックスが意図的にウィックファイヤの契約や将来生ずべき事業を妨害し、民事上の共同謀議を行ったと主張した。しかし控訴裁判所は、「ウィックファイヤがそのような証拠を提出しなかった」ことを明らかにし、これらの主張はそれぞれ「法律問題として」の要件を欠いていると断言し、ウィックファイヤの主張をまったく認めなかった。
  • ウィックファイヤはまた、トライマックスがランハム法に基づく商標法に違反していると主張した。しかし陪審は、この申立てについてウィックファイヤへの損害賠償を認定しなかった。さらに控訴裁判所は、ウィックファイヤがその申立てに関する「勝訴当事者」には当たらないとし、その上で、商標法に基づいて弁護士費用を得ようとするウィックファイヤの不適切な請求を却下した。
  • 最終的に、ウィックファイヤはトライマックスに対し、営業上の信用の毀損、営業上の誹謗中傷、名誉棄損、不正競争、背任の申立てを行った。しかしウィックファイヤは、公判前にそれぞれの申立てを取り下げたため、これらの申立ては控訴の水準にさえ達しなかった。

トライマックスは、ウィックファイヤに対する230万ドル (約2億5,000万円) の損害賠償を誤って認定した下級審裁判所の判決を受けて控訴し、勝利を収めた。ウィックファイヤの申立てにはこれを裏付けるだけの証拠が欠けていたため、控訴裁判所は、判決と賠償認定を破棄し、第一審裁判所に対して新たな判決を下すよう命じた。控訴裁判所の決定に基づき、新しい判決は、ウィックファイヤに対して何も認めないものでなくてはならない。

同じ訴訟において、陪審は、ウィックファイヤとその共同所有者であるチェット・ホール (Chet Hall) とジョン・ブラウン (Jon Brown) が、トライマックスの事業を意図的に妨害していると先立って認定した。トライマックスは、ウィックファイヤが次のような方法により、トライマックスの契約を意図的に妨害したと主張した。(1) 独占契約と引き換えに、加盟店の担当者にリベートを支払うこと。(2) トライマックスの広告文案を盗用し、トライマックスの他の識別情報を含んだ、不正な広告を掲載することにより、トライマックスになりすますこと。(3) トライマックスの広告を繰り返しクリックして、トライマックスのコストを人為的に増加させること (「クリック詐欺」と呼ばれる)。(4) 自動化されたソフトウェアプログラムを使用して、グーグルのオークションシステムを操作すること (「入札妨害」と呼ばれる)。

トライマックスは、ウィックファイヤが200以上のグーグルアカウントの停止処分を受けたこと、加盟店規約に違反したこと、偽のユーザーエージェントやプロキシを使用してその身元を隠したことについて、陪審に証拠を提示した。陪審はまた、グーグルがウィックファイヤを「有名な詐欺師」と呼び、ウィックファイヤが「GoogleClickFraud.com」というドメイン名を登録しているという証拠も確認した。

トライマックスはまた、ウィックファイヤが証拠を破棄したことに関する証拠も提示した。トライマックスは、訴訟の間に、ウィックファイヤが最高技術責任者であるジョン・ブラウンのノートパソコンからすべてのデータを消去し、トライマックスや裁判所に対してそれらの情報を開示しなかったことを知った。トライマックスがこの破棄について明らかにしたところ、ウィックファイヤは、住居侵入でこのノートパソコンが盗まれたため、必要な措置であったと主張した。しかし、ウィックファイヤがコピーの作成を行わなかった後にトライマックスが独自で入手した警察の報告書には、盗まれたとされるノートパソコンに関する記載はなく、ウィックファイヤの主張と矛盾していた。

陪審は、トライマックスに対するウィックファイヤの意図的な妨害行為 (陪審はその存在を認めた) に関する広範囲にわたる証拠を聴取したが、最も強力な証拠の一部は除外された。たとえば、陪審が以下のものを見ることについては認められなかった。

  • 住居侵入盗に関する警察の報告書。
  • ウィックファイヤが「BitchesOfFacebook.com」および「PokeBitches.com」の所有者であることを示す登録文書。
  • リベートの受け取りを拒否した後、ウィックファイヤを「犯罪者」と呼んだ加盟店の担当者からのメール。
  • トライマックスになりすましているウィックファイヤの広告のスクリーンショット。
  • トライマックスがなりすまし広告の出所であると誤って信じて、トライマックスとの契約を打ち切った加盟店からのメール。
  • ウィックファイヤが商標規約に違反し、トライマックスの広告を盗用していると訴える加盟店からのメール。
  • 世界的に有名なコンピューターの専門家により、ウィックファイヤがトライマックスに対して大規模なクリック詐欺を行っていることを疑いの余地なく証明している、長文の技術報告書。
  • トライマックスが経験した入札妨害を示す、リアルタイムの動画。
  • 入札妨害により妨害された、何百件ものトライマックスの加盟店契約の概要。
  • ウィックファイヤの入札方策について訴える、ウィックファイヤの他の競合他社からのメール。

ウィックファイヤ、チェット・ホールおよびジョン・ブラウンが意図的にトライマックスの事業を妨害したとする陪審の事実認定にもかかわらず、ウィックファイヤに対する損害賠償は認定されなかった。しかし、控訴裁判所の判決は、ウィックファイヤ、ホールおよびブラウンが最初に意図的な妨害を行ったとする陪審の事実認定を妨げるものではなかった。

控訴裁判所の判決は、3名の巡回裁判官が全員一致で決定し、米国第5巡回区控訴裁判所のプリシラ・オーウェン (Priscilla Owen) 首席裁判官が21ページにわたる意見で構成された判決文を作成した。トライマックスの代理人弁護士は、シドニー・パウエル・PC (Sidney Powell PC) 法律事務所のシドニー・K・パウエル (Sidney K. Powell) と、イーガン・ネルソン・LLP (Egan Nelson LLP) 法律事務所のバリー・M・ゴールデン (Barry M. Golden) であった。

  • パウエルは、元連邦検事補 (Assistant United States Attorney) であり、非倫理的な弁護士行為や不適切な証拠の隠蔽に関する画期的な暴露本である「Licensed to Lie」 (嘘をつくライセンス) の著者である。パウエルは、ごく最近は、マイケル・フリン中将 (General Michael Flynn) の代理人を務め、第三者選挙訴訟を提起し、言論の自由、憲法上の権利、自由で公正な選挙の権利など、さまざまな目的に取り組むスーパーPAC (特別政治行動委員会) を立ち上げたことで知られている。
  • ゴールデンは、事実審弁護士であり、イーガン・ネルソンの商業訴訟グループの共同グループ長でもある。40年にわたる23年間のキャリアの中で、ゴールデンは、いちかばちかの訴訟を定期的に扱っており、社運を賭けた訴訟も数多く含まれている。

トライマックスCEOのローラ・ウッドラフ (Laura Woodruff) は、次のようにコメントしている。「何年にも及ぶ訴訟の末に、トライマックスは完全に疑いを晴らすことができました。私たちは感動していますが、もちろん結果には驚いていません。この判決によって、ウィックファイヤが正当な競合他社に対してさらなる事実無根の申立てを行うことが阻止されることだけを願っています。しかし、ウィックファイヤが最初に当社の事業を意図的に妨害したことを、グーグルとそのネットワークが許したことについては、いまだに失望しています。とは言うものの、ウィックファイヤがトライマックスの事業を妨害したとする陪審の事実認定 (この事実認定は破棄されませんでした) に基づき、リベートや、競合他社のなりすまし、クリック詐欺、入札妨害などの方策が、オンライン広告業界でこれ以上容認されないことを望んでいます。」

トライマックス・メディアについて:

トライマックス・メディア (TriMax Media) は、2003年に設立されたデジタルマーケティング代理店で、成果報酬型検索エンジンマーケティングを専門としている。トライマックスは、グーグル広告主調査委員会の最初のメンバーであり、グーグル広告を利用してクライアントのために100万人以上の見込み客を獲得した最初の企業の1つである。同社は、非常に効果的な検索マーケティングキャンペーンを作成し、クライアントとの良好で長期的な関係を構築することに重点を置いている。

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質問がある場合の問い合わせ先:
バリー・M・ゴールデン (Barry M. Golden)
イーガン・ネルソン・LLP (Egan Nelson LLP)
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barry.golden@egannelson.com