Adagio Therapeutics、新型コロナウイルス感染症の抗体プログラムのアップデートと併せて事業のハイライトと2021年度第2四半期の財務結果を発表


新型コロナウイルス感染症の治療および予防用の両方でADG20の可能性をサポートする新規データをIDWeek 2021で発表

IDMCの評価を受けて、ADG20のEVADE第2/3相試験で世界的に患者集団を拡張

パンデミックの可能性のある感染症に対する抗体ベースのポートフォリオの継続的な前進に向けた資金調達のため、3億5,580万ドルのIPOを完了

マサチューセッツ州ウォルサム発, Sept. 22, 2021 (GLOBE NEWSWIRE) -- 世界的流行(パンデミック)の可能性のあるウイルス感染症に対する抗体ベースのソリューションの創薬、開発、販売を主な事業とする臨床用バイオ医薬品企業であるAdagio Therapeutics, Inc.(Nasdaq:ADGI)は本日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の主要な抗体プログラムであるADG20の最新情報、および最近の事業ハイライトと2021年度第2四半期の財務結果に関する最新情報を発表した。

「新型コロナウイルス感染症は、引き続き世界中でほぼすべての年齢層に影響を及ぼす重大な健康危機となっています。新しい変異体が次々と出現するなかで、現在の流行や将来的なアウトブレイクの可能性に対処するためには、疾患の治療と予防の両方に使用できる広範な中和療法が重要です」と、Adagioの共同創立者であり最高経営責任者(CEO)でもあるTillman Gerngross博士は述べている。「当社のチームは、現在進行中のADG20の世界的な臨床試験であるSTAMP試験とEVIDE試験の実施について、世界中のCROパートナーと緊密に連携しています。また、承認後に備えて、ADG20の世界的な商品化に向けて準備を進めています。

「ADG20は、当社が新型コロナウイルス感染症に対する治療および予防薬として主試験を進めている、高度に分化した抗体です。EVADE試験についてデータモニタリング第三者委員会(IDMC)が最近行った非盲検データの評価と、試験対象を青少年や妊娠中または授乳中の女性に拡張するという計画が支持されたことを喜ばしく思います」と、Adagioの最高医療責任者であるLynn Connolly医学博士は述べている。「当社ではこれまでに、第1相試験における薬物動態および忍容性の良好なプロファイルだけでなく、オリジナルのSARS-CoV-2ウイルスやin vitroモデルで懸念される既知の変異に対して幅広く中和する、説得力のあるADG20のデータパッケージも作成してきました。さらに、今年のIDWeekでは、第1相試験からの追加データをリリースするとともに、治療と予防のための用量選択プロセスに関する詳細を発表します。この新しい抗体が、現在も続くパンデミックに対処する上で重要な役割を果たすことができると確信しています。」

ADG20 COVID-19プログラムのハイライト

  • IDWeek開催中に複数のポスターで発表される新しいADG20データ:IDWeek 2021バーチャルカンファレンスで、当社は、ヒトにおけるADG20の半減期が延長されたことと、ラボテストで広範かつ強力な中和能力が示されたことを併せて、新型コロナウイルスへの感染を最大1年間予防できる可能性を強調する追加データを発表することを計画している。さらに、このデータは、持続的な第2/3相STAMP試験(治療)およびEVADE試験(予防)の世界的な臨床試験において、単回筋肉内注射として投与される用量300 mgに対する評価をサポートするものである。このデータは複数のポスターで提示され、2021年9月29日から10月3日までの会議期間中、登録された出席者がバーチャルプラットフォームで閲覧できることになっている。プレゼンテーションには次の内容が含まれる。
    • 1086:ADG20の筋核(IM)薬物動態を事前予測する全身定量システム薬理物理学ベースの薬物動態(QSP/PBPK)モデル:コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療と予防のために開発されている半減期延長モノクローナル抗体
    • 633:安全性、血清ウイルス中和抗体(sVNA)、およびADG20の薬物動態(PK)プロファイルを評価する第1相の単回投与量漸増試験の中間結果:コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療と予防のために開発された半減期延長モノクローナル抗体
    • 1089:ADG20の用量選択をサポートするための全身定量システム薬理物理学ベースの薬物動態(QSP/PBPK)モデルの使用:コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防のために開発されている半減期延長モノクローナル抗体
    • 1088:ADG20の用量選択をサポートするための全身定量システム薬理物理学ベースの薬物動態(QSP/PBPK)モデル:コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療のために開発されている半減期延長モノクローナル抗体
  • IDMCデータ評価後の患者集団の拡張:新型コロナウイルス感染症予防薬のADG20のEVADE第2/3相試験を担当したデータモニタリング第三者委員会(IDMC)は最近、第3相試験の登録対象に12歳以上の青少年、妊娠中または授乳中の女性を含めるとともに、プロトコルに指定される接種後の医療機関でのモニタリング期間の短縮を推奨することを提示した。IDMCの提言は、第2相臨床試験導入期に登録した200名の被験者から入手した、治療後28日後の来院時の非盲検安全性および忍容性データの評価に基づくものである。
  • Biocon Biologicsとの提携により、インドおよび一部新興市場の患者に対する新型コロナウイルスの抗体の強力かつ広範な中和処理が可能:Adagioは2021年度第2四半期にBiocon Biologics Ltd.と提携し、南アジアで感染が拡大している新型コロナウイルス感染症の危機に対処している。今回の提携により、Bioconには、ADG20に基づく抗体療法をインドで製造および商品化する権利のほか、ADG20向けに開発された商業生産プロセスに基づいて新興市場を新たに選択する権利も与えられる。本契約の一環として、Bioconは、Adagioの第2/3相臨床試験から得られるデータへのアクセスが承認される。また、インドおよびその他の新興市場における承認または緊急承認をサポートするために、予想される緊急使用認可パッケージおよびその他の規制当局に対する申請資料へのアクセスも認められる。

最近のビジネスハイライト

  • 世界的な新型コロナウィルスワクチン専門家であるDavid Hering氏を最高執行責任者に任命:Adagioは先日、David Hering氏を最高執行責任者に任命した。Hering氏は、Pfizer社からAdagioに入社している。Pfizer社での直近の実績としては、グローバルmRNAビジネスのリーダーとして、特に世界的な新型コロナウイルス感染症に対する取り組みやmRNAテクノロジーを活用した今後のワクチンを管理するために設立されたビジネスを指揮し、米国初の新型コロナウイルス感染症ワクチンの発売を主導したことが挙げられる。Hering氏は、Pfizer社での直近の職務以前には、同社の北米法人の社長を務め、新型コロナウイルス感染症のワクチン製品および髄膜炎菌および肺炎球菌疾患のワクチン製品のポートフォリオ全体をカバーする700名の組織を指揮にあたっている。
  • 3億5,580万ドルの新規株式公開(IPO)の完了:2021年8月に、Adagio社は2,093万株の普通株を売却した。ここには、1株当たり17.00ドルの公募価格で273万株の普通株を追加購入できる引受人特権の行使分も含まれる。Adagioが支払い可能な割引や手数料、その他の発行費用を引き受ける前の発行価格の総収益は、約3億5,580万ドルであった。
  • Scrippsとの提携:Adagio社はScripps Research Instituteと独占的な研究契約を締結し、インフルエンザやベータコロナウイルス株による感染症を予防するための広範な防護的役割を持つワクチンの候補を特定した。
  • 取締役会を拡張して業界リーダーを含め、今後の成長をサポート:Adagio社は最近、業界のベテランとその分野の専門家3名を取締役会に指名した。
    • Johnson & Johnson社のDevelopment Corporation(JJDC)の前社長であるTom Heyman氏
    • 米国食品医薬品局(FDA)のmedical and scientific affairsの前副委員長であるAnand Shah医学博士
    • MSW Consulting Inc.の社長でGenzyme社の前CFOであるMichael S.Wyzga氏

2021年度第2四半期決算

  • 2021年6月30日現在で、Adagioは3億9,250万ドル相当の現金、現金等価物、有価証券を保有していた。これには4月に完了したシリーズC資金調達による純利益も含まれる。2021年6月30日現在での見積額では、現金、現金等価物、市場性有価証券は、2021年8月10日に申込期間が終了した新規株式公開の影響を受けて7億1,960万ドルとなっている。
  • 2021年度第2四半期の仕掛中の研究開発プロセス費用を含む研究開発費は3,760万ドルであった。
  • 2021年度第2四半期の売却、一般管理費は710万ドルであった。
  • 第2四半期の純損失は4,470万ドル(1株あたり0.18ドル)であった。

ADG20について
ADG20は、SARS-COV-2および関連コロナウイルスのスパイクタンパク質を標的とするモノクローナル抗体で、SARS-COV-2が原因の新型コロナウイルス感染症予防と治療用に開発された。受容体結合ドメインで高度に保存されたエピトープを標的として、SARS-COV-2およびclade 1サルベコバイルスに対して高い効能と広域の中和性を獲得することを目的として開発された。当初のSARS-COV-2株および既知の懸念のある変異株に対して強力な中和活性を示す。ADG20には、宿主細胞へのウイルス侵入の直接阻害 (中和)、Fcを介した固有の免疫エフェクター活性による、感染した宿主細胞の除去など、複数の作用機序により、ウイルス複製と発症に影響を与える能力がある。ADG20は単回筋肉内注射によって投与する。また、半減期が長く、迅速に、高い忍容性で保護することを目的としている。Adagioは、世界各地の複数の臨床試験を通じて、ADG20試験を進めている。

Adagio Therapeuticsについて

Adagio(Nasdaq:ADGI) は臨床用バイオ医薬品企業で、パンデミックの可能性がある感染症用に抗体ベースのソリューションの創薬、開発、販売を主な事業としている。同社の抗体ポートフォリオは、Adimabの業界をリードする抗体工学機能を使用して最適化されている。患者と臨床医のために、効能、広域、(長い半減期による) 忍容性の高い保護、製造可能性、手頃な価格を同時に実現している。AdagioのSARS-COV-2抗体ポートフォリオには、ADG20をはじめとして、固有の結合エピトープを持つ、競合しない広域の中和性を持つ抗体が多数ある。Adagioは、臨床試験が完了し、規制当局の認可を受けた後、第三者の下請メーカーと契約することで、ADG20の製造能力を確保して、最初の上市に向けて体制を整えている。詳しくは、www.adagiotx.comを閲覧されたい。

将来の見通しに関する記述
本プレスリリースには、1995年米国証券民事訴訟改革法 (Private Securities Litigation Reform Act of 1995) の意義の範囲内で、将来の見通しに関する記述が含まれている。「予測」、「信念」、「期待」、「意図」、「プロジェクト」、「将来」、または類似の表現などの単語は、将来の見通しに関する記述を特定することを目的としている。将来の見通しに関する記述には、当社の事前臨床試験および ADG20の臨床試験の時期、進捗状況、結果に関する記述が含まれる。その内容には、当社が計画している IND提出の時期、研究または治験の開始と完了、ならびに関連する準備作業、治験結果が入手可能になる期間および当社の研究開発プログラム、製品候補者に対する規制承認を取得し維持する当社の能力、製品候補者が治療する疾患の患者を特定しこれらの患者を臨床試験に登録する能力、製造能力と戦略、製品候補者の商品化を成功させる能力も含まれる。当社は、当社の将来見通しに関する記述で開示された計画、意図または期待を実際に達成していない可能性がある。そのため、当社の将来見通しに関する記述に過度に依存するべきではない。これらの将来の見通しに関する記述にはリスクと不確実性が含まれており、それによって当社の実際の業績が将来の見通しに関する記述に明示または暗示されている結果と大きく異なる可能性がある。これには、2021年8月6日に開催された証券取引委員会(「SEC」)に提出されたAdagioの目論見書の表題「リスク要因」の項目に記載されているリスク、およびAdagioが今後SECに提出する報告書(2021年6月30日に終了した四半期分のフォーム10-QのAdagioの四半期レポートを含む)に記載されるリスクが含まれるが、これらに限定されるものではない。新型コロナウイルス感染症のパンデミックの影響によって、こうしたリスクが上昇する場合がある。このプレスリリースに含まれる将来の見通しに関する記述は、現在の時点で作成されている。Adagioは、適用法に基づき必要とされる場合を除き、当該情報を更新する義務を負わない。

問い合わせ先:

報道関係者向けの問い合わせ先:
ダン・バドウィック (Dan Budwick)、1AB
Dan@1abmedia.com

投資家向けの問い合わせ先:
モニク・アレール (Monique Allaire、THRUSTストラテジック・コミュニケーションズ (THRUST Strategic Communications
monique@thrustsc.com

ADAGIO THERAPEUTICS, INC.

CONDENSED CONSOLIDATED BALANCE SHEETS

(UNAUDITED)

(In thousands, except share and per share amounts)

  June 30,
2021
  December 31,
2020
 
Assets      
Current assets:      
Cash and cash equivalents(1) $392,509  $114,988 
Prepaid expenses and other current assets  3,550   2,394 
Total current assets  396,059   117,382 
Deferred offering costs  1,933    
Total assets $397,992  $117,382 
Liabilities, Convertible Preferred Stock and Stockholders’ Deficit      
Current liabilities:      
Accounts payable $10,716  $8,153 
Accrued expenses  27,181   4,919 
Total current liabilities  37,897   13,072 
Early-exercise liability  8   11 
Total liabilities  37,905   13,083 
Commitments and contingencies      
Convertible preferred stock (Series A, B and C) $0.0001 par value; 16,944,484 shares authorized, issued and outstanding at June 30, 2021; 12,647,934 shares authorized, issued and outstanding at December 31, 2020; aggregate liquidation preference of $505,399 and $169,900 at June 30, 2021 and December 31, 2020, respectively  504,711   169,548 
Stockholders’ deficit:      
Common stock, $0.0001 par value; 150,000,000 shares authorized at June 30, 2021 and December 31, 2020; 5,599,240 shares issued and outstanding at June 30, 2021; 28,193,240 shares issued and 5,593,240 shares outstanding at December 31, 2020  1   1 
Treasury stock, at cost; 0 shares and 22,600,000 shares at June 30, 2021 and December 31, 2020, respectively     (85)
Additional paid-in capital  4,067   154 
Accumulated deficit  (148,692)  (65,319)
Total stockholders’ deficit  (144,624)  (65,249)
Total liabilities, convertible preferred stock and stockholders’ deficit $397,992  $117,382 

(1) 2021年6月30日現在での見積額では、現金、現金等価物、市場性有価証券は、当社の2021年8月10日に終了した新規株式公開の普通株1株あたり17.00ドルでの2,093万株の発行および売却を受け、割引や手数料、その他の発行費用を差し引いて、7億1,960万ドルとなった。

ADAGIO THERAPEUTICS, INC.

CONDENSED CONSOLIDATED STATEMENTS OF OPERATIONS AND COMPREHENSIVE LOSS

(UNAUDITED)

(In thousands, except share and per share amounts)

  Three Months
Ended
June 30,
  Six Months
Ended
June 30,
  Period from
June 3, 2020
(Inception) to
June 30,
 
  2021  2021  2020 (3) 
Operating expenses:         
Research and development(1) $35,067  $69,204  $48 
Acquired in-process research and development(2)  2,500   3,500    
Selling, general and administrative  7,124   10,695   50 
Total operating expenses  44,691   83,399   98 
Loss from operations  (44,691)  (83,399)  (98)
Other income (expense):         
Interest income  23   32    
Other expense  (5)  (6)   
Total other income (expense), net  18   26    
Net loss and comprehensive loss $(44,673) $(83,373) $(98)
Net loss per share attributable to common stockholders, basic and
diluted
 $(0.18) $(0.66) $ 
Weighted-average common shares outstanding, basic and diluted  249,769   125,574   21,250,000 

(1) 2021年6月30日に終了した3ヵ月間の関連当事者の取引金額247ドル、2021年6月30日に終了した6ヵ月間の435ドル、2020年6月3日(開始)から2020年6月30日までの期間の0ドルを含む。
(2) 2021年6月30日に終了した3ヵ月間の関連当事者の取引金額2,500ドル、2021年6月30日に終了した6ヵ月間の3,500ドル、2020年6月3日(開始)から2020年6月30日までの期間の0ドルを含む。
(3) 2020年6月3日(開始)から2020年6月30日までの期間の結果は、2020年6月30日に終了した3ヵ月間および6ヵ月間の結果と同じ。