カンドウ・バス社、「グラスウィング (Glasswing™) USR SerDes IP」の発売を発表

グラスウィングでは、共有MCMパッケージにおけるダイ間インターコネクトでインターポーザが不要


ローザンヌ (スイス), May 25, 2018 (GLOBE NEWSWIRE) -- マルチワイヤSerDes技術の世界的パイオニアであるカンドウ・バス (Kandou Bus S.A.) は、グラスウィング (Glasswing™) USR SerDesを発表し、共有パッケージ内で高価なシリコンインターポーザを必要とせずに複数のチップレットの接続が可能になった。先進のCMOSプロセスは集積度を上げる手段を引き続き提供しているが、歩留低下や大規模デバイスの設計に関連したコスト上昇が見られてきた。ネットワーキング、ハイパースケールデータセンター、AI/機械学習、ハイパフォーマンス・コンピューティングの顧客は、グラスウィングUSR SerDesを使用して大規模SoCを小さく、より管理しやすいチップに分割し、必要なブロックだけを先進プロセスで開発することの価値を認めている。

カンドウ・バスのCEOであるアミン・ショクロラヒ (Amin Shokrollahi) は次のように述べている。「グラスウィングは、チップレットアプリケーションをサポートするために最適化されている初のコード (Chord) シグナリングベースSerDesです。私どものビジョンは、チップレットソリューションの相互接続可能なエコシステムをグラスウィングで実現することです。本日の発表は、全てのグラスウィングIPの相互通信能力を維持しながら、グラスウィングをさまざまなファウンドリ、メタルスタック、プロセスノードに普及させる取り組みにおける最初の発表であり、今後も多くの発表が予定されています。」

グラスウィングを実装した最初の顧客の製品は、2018年後半の出荷予定である。

グラスウィングとコード・シグナリング

グラスウィングは、差動シグナリングを一般化したカンドウのコード (Chord™) シグナリングアーキテクチャに基づいている。差動シグナリングは2本の相関するワイヤ上で1ビットのデータ転送を行うが、コード・シグナリングはn+1本の相関するワイヤ上でnビットのデータ転送を行う。ビットの識別に使用されるワイヤ上のシグナリングとコンパレータの組み合わせは、まとめて「コーダルコード」と呼ばれる。

グラスウィングの基本的コーダルコードは「CNRZ-5」であり、コードは6つの相関するワイヤで5ビットを送信する。

この発表に付随する写真は以下から入手可能である。http://www.globenewswire.com/NewsRoom/AttachmentNg/48418c71-6658-48e1-8d20-8dcc4a744058

厳選されたコードブックを使用して、ビットを異なる電圧レベルでワイヤに導入し、コンパレータネットワークはビットを抽出し、NRZ形状のバイナリアイを供給するように独自に設計されている。その結果として得られたバイナリ・アイは、PAM-4で可能なアイよりもはるかに大きく、このコードは、インターシンボル干渉(Inter Symbol Interference :ISI)および反射に対する耐性が本質的に高いが、特にISIのフォームは、USRアプリケーションで特に重要である。アイが大きくなると、イコライゼーションが少なくてすみ、したがって電力消費量も少なくなる。例えばグラスウィングでは、レシーバで単純なリニアイコライザのみを使用している。

グラスウィングは、約1pJ/bitの消費電力で、わずか2.4mmのダイエッジで、500Gbpsの双方向帯域幅を持つ前例の無いSerDesの性能を実現している。このIPのBER値は、1E-15をサポートするように設計されている。カンドウでは、マージンを改善し、より厳しいBER目標 (1E-21またはそれ以上) に適合する単純なFECを追加機能として提供している。FECは完全にオプションであるが、使用した場合、SerDesの4.4nsという元来低い固定レイテンシに1.25ns追加するのみである。

パッケージ内では、グラスウィングは最大6dBのインサーションロスに対応することができ、これはGZ-41基板材料の30mmよりも大きい。さらに重要なことに、チップレットをMCMパッケージのコーナーに配置することができ、エリアのさらなる有効活用が可能になる。チップレットがロングリーチ型SerDesを含むアプリケーションでは、チップレットをパッケージボールのすぐそばに配置することができ、パッケージロスを大幅に削減できる。また、チップレットの使用はフルI/Oサブシステムのような機能をチップレットに移動することにより、中央ダイの歩留まりを大きく増加させることができる。

この発表に付随する写真は以下から入手可能である。http://www.globenewswire.com/NewsRoom/AttachmentNg/c7539617-0e8a-43cd-a0e4-5569acb3ff51

カンドウはグラスウィングをシリコンで検証するために3つのテストチップを構築した。

発売時期
グラスウィング製品ファミリーの最初のSerDes IPは「GW16-500-USR」と呼ばれ、TSMC 16nm FinFet プロセスで直ちに入手可能である。他のプロセス用の複数の異なる製品も、様々なメタルスタックやオリエンテーションに対応して間もなく発売される。

ダイエッジの1ミリメートルあたりの現在の帯域幅の2倍および4倍を実現するソリューションの開発作業も進んでおり、いずれもGW16-500-USRとの通信が可能になる。

すべてのIPは完全なターンキーソリューションであり、容易なインテグレーションを確実にするために、分かり易い補足的な設計ファイルとドキュメント、フィールドサポートが付属して提供される。カンドウでは、顧客がグラスウィングのイン・システム性能を検証できるように評価モジュールも提供する。

柔軟なビジネスモデル
伝統的なハードIPライセンスに加えて、カンドウではさまざまなファウンドリ、プロセスノード、メタルスタックにIPをポーティングする柔軟性を顧客に提供するために、ソフトIPライセンスモデルも提供する。実際のポーティング作業は、顧客、カンドウ、またはカンドウのパートナーが実施可能である。

カンドウは、グラスウィングが顧客のアプリケーションで意図通りに動作することを保証するために、顧客に全面的なサポートを提供する。

価格と発売の詳細については、sales@kandou.comまで問い合わせされたい。

カンドウについて
次世代リンクの帯域幅と電力の課題には、業界リーダーであるOIF、IEEE、JEDECなどの規格開発機関が対応している。カンドウでは業界規格を提唱し、これらの組織の会員および理事会メンバーとして、そのテクノロジーやサポートを寄与している。

カンドウ・バス (Kandou Bus) は2011年に創業され、スイスのローザンヌに本社を構え、スイス、英国、ドイツにデザインセンターを有する。同社は業界をリードするチップ間リンク用のソリューションの発明、設計、ライセンシング、実装に特化している革新的なインタフェース技術企業である。カンドウのコード (Chord™) シグナリングは、消費電力を低減させ、半導体の性能を向上させ、電子機器やシステムの新機能を実現する画期的なインターコネクトテクノロジーである。http://www.kandou.com

報道関係者向け問い合わせ先
ビジネスデベロップメント担当バイスプレジデント
ジェフ・マグアイア (Jeff McGuire)
303-903-9244
jeff@kandou.com

ChordおよびGlasswingは、Kandou Busの商標である。