セレスピールとシンガポール国立神経科学研究所が、パーキンソン病のLRRK2モデルにおけるセレスピールの臨床適用候補化合物イタナプラセド (Itanapraced) の有益効果を示す肯定的データを発表


  • イタナプラセドは、LRRK2発現およびLRRK2媒介性神経毒性を阻害する
  • イタナプラセドは、パーキンソン病患者の遺伝的変異の有無にかかわらず、第2相臨床試験に進む準備が完了

ニューヨークおよびシンガポール発, Dec. 11, 2018 (GLOBE NEWSWIRE) -- 神経変性疾患の治療のための疾患修飾治療の発見および開発に従事する製薬会社セレスピール (CERESPIR INCORPORATED)、および統合型臨床サービス、研究、教育を通じて生活を改善するという使命を持つ神経科学の全国的・国際的センターオブエクセレンスであるシンガポール国立神経科学研究所 (THE NATIONAL NEUROSCIENCE INSTITUTE SINGAPORE) は本日、パーキンソン病モデルにおけるセレスピールの臨床適用候補化合物イタナプラセド (itanapraced) の動物における概念証明を取得したことを発表した。具体的には、以前に軽度認知障害 (MCI) の患者における試験で効果を奏したイタナプラセドは、LRRK2の発現を阻害し、さらには神経毒性を防止し、その結果健康なドーパミン作動性ニューロンが保存されることが分かった。これらのデータは、パーキンソン病における第2相臨床試験の開始をサポートし、神経変性疾患に幅広く適用可能である可能性がある。本研究は、シンガポール国立神経科学研究所の医療副ディレクター兼神経科シニアコンサルタント兼リサーチディレクターであり、全米パーキンソン病財団 (US National Parkinson Foundation) の国際センターオブエクセレンスの共同ディレクターであるタン・エン・キン教授 (Professor Tan Eng King)、およびシンガポール国立神経科学研究所のシニアリサーチ科学者であるリー・ゼン博士 (Dr. Li Zeng) との協力により実施された。

イタナプラセドは、酸化ストレスに対する細胞応答の調節不全を引き起こす神経変性プロセスの中心的な新規標的を介して作用する。具体的には、イタナプラセドは、AICD (アミロイド前駆体タンパク質細胞内ドメイン) に結合し、その転写活性を阻害するAICD阻害剤として知られる新種の分子の最初のものである。急性または慢性の酸化ストレス状況下で、AICDはFoxO3a (ストレス応答系の重要な要素) と相互作用し、プロアポトーシス因子BIMの発現を促進し、ニューロンの死を引き起こす。パーキンソン病は、必須の神経伝達物質であるドーパミンを産生する中脳のドーパミン作動性ニューロンの喪失に関連する、よく見られる進行性神経変性疾患である。機能獲得型LRRK2変異は、家族性パーキンソン病の症例の大半を占めている。さらに、LRRK2キナーゼ活性は、αシヌクレインおよびミトコンドリア障害を伴う酸化機構によって脆弱なドーパミンニューロンにおいて異常に増加し、LRRK2阻害が大多数のパーキンソン病患者にとって有用であることが示唆される。タン教授とゼン博士が率いた以前の研究チームは、AICDがLRRK2によってリン酸化されたときにAICDが転写活性化され、体内でドーパミン作動性ニューロンが消失することを示した (Chen等、Sci. Signal. 10, eaam6790 (2017年))。研究者は現在、査読済みの科学誌に、イタナプラセドがLRRK2の発現および神経毒性を阻害する能力を示す新しいデータを公表することを目指している。

セレスピールの創業者で最高科学責任者であるダニエル・G・チェイン博士 (Daniel G. Chain, PhD) は次のように述べている。「新しいデータは、AICD阻害剤がパーキンソン病の治療に有用であるはずであるというタン教授の予測を裏付けるものです。この研究は適切にコントロールされ、AICDがLRRK2の発現を促進し、その影響がイタナプラセドによって体内で防止されることを示す複数の証拠が見られたため、パーキンソン病患者での第2相臨床試験に進む確信を与えてくれました。」

セレスピールの社長兼最高経営責任者であるエイドリアン・N・ホブデン博士 (Adrian N. Hobden, PhD) は次のように述べている。「当社では、LRRK媒介性の神経毒性を標的とする最先端の化合物を有しており、この有望な治療薬をパーキンソン病患者の方々の疾患修飾治療として急速に進歩させることを目指しています。イタナプラセドでは3回にわたる第1相試験で200人以上の被験者を対象とする大規模な治験が行われ、また、第2相試験においてはMCI患者を最大90週間にわたり治療し、同化合物の優良な安全性・忍用性が示されたため、イタナプラセドはパーキンソン病治療用に開発中の他の化合物と比較してリスクが少ないことも重要です。」

シンガポール国立神経科学研究所の医療ディレクターであるング・ワイ・ホー准教授 (Associate Professor Ng Wai Hoe) は次のように述べている。「世界中で人口の高齢化が急速に進んでいて、パーキンソン病などの神経系疾患の著しい増加が起こっています。神経疾患についての国立研究所であり、パーキンソン病のセンターオブエクセレンスであるシンガポール国立神経科学研究所では、患者の生活を改善するために、厳格な研究を通じて継続的に治療法を進歩させていきます。これらの重要な発見は、パーキンソン病のより良い治療薬の選択肢をもたらすために、有望な新しい開発段階に拍車をかけます。」

セレスピールについて

セレスピール (CERESPIR) は、神経変性障害の治療に革新的なアプローチを採用している、科学技術を主体とする私有の製薬企業である。そのリード候補薬イタナプラセド (CSP-1103) は、良好な経口バイオアベイラビリティ、長い血漿半減期、および脳への相当な浸透性を有する小分子である。MCI患者を最大2年間(3ヵ月間の二重盲検、その後オープンラベル)にわたり治療した第2相試験では、忍容性が優れており、脳内では、用量依存性および統計学的に有意な2つの神経炎症メディエーターである可溶性CD40リガンドおよびTNF-α、ならびに認められている神経変性マーカーである総タウの削減が見られた。さらに、患者は長期にわたる試験全体で安定した認知機能を示した。セレスピールは、多様な神経変性疾患のために開発できる可能性のある次世代のAICD阻害剤を特定する目的の医薬品化学プログラムを有している。セレスピールについて詳しくは、www.cerespir.comを閲覧されたい。

シンガポール国立神経科学研究所について

シンガポールの国立神経科学研究所 (National Neuroscience Institute: NNI) は、脳、脊椎、神経、筋肉の治療にあたる全国的・地域的専門センターである。NNIでは、高度な技術と集学的ケアチームによる神経学、神経外科、および神経放射線学の医療を提供している。NNIは、患者の生活を改善することにコミットし、革新、研究、教育を通じてより良い明日のために神経科学を展開させていくことを目指している。NNIは、4つの病院、5つの専門センター、8つのポリクリニック、および地域病院のネットワークを管理する公共医療クラスタであるシンガポール保健サービス (Singapore Health Services: SingHealth) のメンバーである。詳しくは、www.nni.com.sgを閲覧されたい。

問い合わせ先

セレスピール (CERESPIR INCORPORATED)
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直通: +1 646 202 2562 | 携帯電話: +1 718 406 1331
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国立神経科学研究所 (National Neuroscience Institute)
企業広報部
ジェニー・クウォック (Ms Jenny Kwok)
直通: +656357 7162 | 携帯電話: +658333 7231
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