D-Wave、世界的なCOVID-19対策に量子クラウドへの無料アクセスを提供

フォルクスワーゲン、デンソー、京セラ、ユーリヒ・スーパーコンピューティング・センター、メンテンAIなどの顧客やパートナーもパンデミック対応にハイブリッド量子専門知識を提供


ブリティッシュコロンビア州バーナビー発, April 01, 2020 (GLOBE NEWSWIRE) -- 量子コンピューティングシステム、ソフトウェア、サービスのリーダーであるD-Waveシステム (D-Wave Systems Inc.) は本日、COVID-19危機に取り組む人々を対象に、Leap量子クラウドサービスを通じて、量子システムへの無料アクセスを即時に提供することを発表した。この取り組みには、CINECA、デンソー (DENSO)、ユーリヒ総合研究機構 (Forschungszentrum Jülich)、京セラ (Kyocera Corporation)、京セラコミュニケーションシステム (KYOCERA Communication Systems)、MDR/クリフハンガー (MDR/Cliffhanger)、メンテンAI (Menten AI)、NECソリューションイノベータ (NEC Solution Innovators Ltd)、OTIルミオニクス (OTI Lumionics)、LMUミュンヘン (LMU Munich) のQARラボ (QAR Lab)、Sigma-i、東北大学 (Tohoku University) およびフォルクスワーゲン (Volkswagen) などのパートナーや顧客企業も参加し、量子コンピュータの使い方や問題の設定に関する専門知識を有するエンジニアリングチームへのアクセスを提供し、ソリューション開発を支援する。

この取り組みは、カナダ政府から各業界が直面するパンデミックに対処するソリューションを求められたことに対応したものである。Leap経由でD-Waveの量子コンピュータへの自由かつ無料のアクセスは、Leap量子クラウドサービスへのアクセスが可能な北米、ヨーロッパ、アジアの35か国で、COVID-19対応に取り組む人々に即時に提供される。

COVID-19に効果的に対処するには、世界各地の民間および公的機関などの多様な組織を横断した、協力的な取り組みが求められる。Leap量子情報処理リソースと量子専門知識への無料アクセスを提供することにより、D-Waveと同社のパートナーはCOVID-19危機に対処するソリューション確立に貢献することを目指している。この新たな取り組みを通じて、パンデミック対応を展開する人は誰でも、最近立ち上げられたLeap 2への商業契約レベルのアクセスを無制限で即時に利用することができる。Leap 2には、古典的コンピューティングリソースと量子コンピューティングリソースの両方を提供するよう設計されたハイブリッドソルバーサービスが組み込まれており、最大10,000もの完全に接続された変数を使って、極めて複雑な問題をすばやく、高い精度で解決することができる。

D-Wave CEOのアラン・バラッツ (Alan Baratz) は次のように述べている。「私たちは現在、ほぼすべての業界と人口に影響を与えている未曽有の危機に立ち向かっています。このパンデミックにうまく対処するには、問題を解決する創造力と新しいアプローチが必要です。当社顧客とパートナーの専門知識とハイブリッド量子コンピューティングを組み合わせることにより、世界各地の個人、組織、政府にパワフルなリソースを提供して、速やかに、協力的にソリューションを構築できると考えています。D-Waveと当社パートナーおよび顧客は、量子コンピューティングに関する優れた専門知識を保有しています。協力を通じて、量子リソースと古典的リソースを融合したハイブリッドソリューションを使って、問題の解決に貢献したいと考えています。様々な専門分野、垂直市場、地域のエキスパートに計算能力を拡張して、同コミュニティの量子に関する深い知識を複雑で、刻々と変化を続けるCOVID-19感染状況への対処に活用していきたいと思います。」

量子リソースと古典的リソースを融合したハイブリッドコンピューティングは、自然界の複雑な問題を幅広く解決するのに最適と思われる。COVID-19対処の重点領域には、新しい診断法の分析、ウイルス拡散のモデリング、病院ロジスティクスの最適化、物資の分配、医薬品の組合せなど、多様なハイブリッド量子用途がある。

デンソー社長兼CEOの有馬浩二 (Koji Arima) は次のように述べている。「コンピューティング技術は、科学技術や産業の発展に貢献してきました。量子コンピューティングは、さらなる発展に貢献できる技術として期待されており、デンソーはその研究を続けてきました。このプロジェクトに参画できて光栄です。この機会を活かし、グローバルの専門知識を総動員して、デンソーのスピリットである総智・総力で進めていきます。世界の知恵を結集させることで、この困難は必ず乗り越えられると信じています。」

ユーリヒ・スーパーコンピューティング・センター (Jülich Supercomputing Centre) のクリステル・ミヒエルセン (Prof. Dr. Kristel Michielsen) 博士は次のように述べている。「量子リソースと古典的リソースを融合した、コンピュータシミュレーションによるハイブリッドワークフローを使って、未曽有のCOVID-19危機により生じた薬理学と疫学における複雑な問題の解決が加速できると期待しています。当センターでは、D-Waveの最適化機能とAI機能を効率的に活用して、システムをモジュール式HPC環境に統合しています。」

メンテンAI CEOのハンス・メンロー (Hans Menlo) は次のように述べている。「COVID-19危機を乗り越えるには、団結と協力が重要です。D-Waveと同社パートナーと協力して、当社の専門知識とリソースを最大限に提供できることを光栄に思っています。」

東北大学勤務でSigma-i (Sigma-i Co. Ltd.) CEOの大関真之 (Dr. Masayuki Ohzeki) は次のように述べている。「この取り組みに参加できて光栄です。実際に、医療崩壊を防ぐために重症患者をどの病院に割り振るかの計画を最適に作成する定式の構築を開始しています。定式はほぼ完成しており、現在評価中です。」

COVID-19対処のため、無料の量子コンピューティングリソースとプログラミングアシスタンスへの即時アクセスに関する詳細は、www.dwavesys.comを閲覧されたい。

D-Waveシステムについて
D-Wave (D-Wave Systems Inc.) は、量子コンピューティングシステム、ソフトウェア、サービスを開発、提供するトップ企業で、世界で初めて商用量子コンピュータを提供したサプライヤーである。量子コンピューティングの能力を世界的に広めることを使命としている。使命遂行に向けて、ロジスティクス、人工知能、材料科学、創薬、サイバーセキュリティ、故障検出、財務モデリングなど多様な問題に対処する実用的な量子アプリケーションを通じて、顧客に価値を提供している。D-Waveのシステムは、NEC、フォルクスワーゲン (Volkswagen)、デンソー (DENSO)、ロッキード・マーティン (Lockheed Martin)、USRA、USC、ロスアラモス国立研究所 (Los Alamos National Laboratory)、オークリッジ国立研究所 (Oak Ridge National Laboratory) など、世界で最も先進的な組織に採用されている。D-Waveはカナダのバンクーバーに本社を置くほか、カリフォルニア州パロアルトおよびワシントン州ベルビューを拠点として、米国で事業を展開している。同社は公務員年金投資委員会 (PSP Investments)、ゴールドマン・サックス (Goldman Sachs)、BDCキャピタル (BDC Capital)、DFJ、In-Q-Tel、PenderFundキャピタル (PenderFund Capital)、180ディグリー・キャピタル (180 Degree Capital Corp.)、ケンジントン・キャピタル・パートナーズ・リミテッド (Kensington Capital Partners Limited) などの優良投資基盤を擁する。詳しくは、www.dwavesys.comを閲覧されたい。

問い合わせ先
D-Waveシステム
dwave@launchsquad.com