ロンドン発, Dec. 08, 2025 (GLOBE NEWSWIRE) -- 2025年に急加速した世界的な富の移動は、世界中で急速に拡大しつつあるプライベート医療費の格差と衝突している。そのため、信頼できるプライベート医療の利用可能性と費用が、富裕層の家族が居住地や投資先、居住権や市民権の取得国を選択する上での決定的な要因となっている。
市民権・居住権計画サービスの世界的リーダーであるヘンリー&パートナーズ (Henley & Partners) が本日発表した新しい顧客データは、越境計画に対する記録的な需要を裏付けるとともに、医療費負担が、グローバルに移動する家族の長期移住先の決定に影響を与える重要な「隠れた変数」となっていることを浮き彫りにしている。
記録的な世界的需要が、優先事項を変えつつある
ヘンリー&パートナーズは今年 (2025年)、92国籍の顧客から申請を受け付け、50以上の居住権および市民権プログラムの需要を支援した。 同社は過去5年間で136国籍の申請者を支援しており、これは現在の富裕層移住の動きの規模と多様性を裏付けている。 2024年第1~第3四半期と2025年の同期間を比較すると、申請件数が43%増加しており、富裕層家族で越境移住が活発化していることを明確に示している。
ヘンリー&パートナーズのグループ会長であるクリスチャン・H・ケーリン博士 (Dr. Christian H. Kaelin) は次のように述べている。「グローバルなモビリティは、富裕層家族にとって中核的なリスク管理戦略となりつつあります。 お客さまは、複数の管轄区域にまたがる生活を構築する中で、居住権や市民権へのアクセスだけでなく、そのライフスタイルを維持するための実際のコスト、特に信頼できるプライベート医療の価格について詳しく検討されています。 紙面上では魅力的に思える移住先も、医療上の実際のエクスポージャーを理解すると、魅力が大幅に低下する可能性があります。」
新たなエビデンスにより、医療費がモビリティの中心的指標となる
顧客の移住先決定を支援するため、ヘンリー&パートナーズは新たに公表された2025年SIP医療費指数 (SIP Health Cost Index (HCI) 2025) を参照している。これは、国際的にモビリティを行使している個人・家族を対象に、50の主要国におけるプライベート医療の真のコストを体系的に比較した指標であり、国際プライベート医療保険 (International Private Medical Insurance: IPMI) の保険料を基に算出されている。 ヘンリー&パートナーズは居住権・市民権計画を専門としているが、本指数は重要な補完的視点を提供する。特に子供のニーズ、高齢の親、選択的な越境治療に対処している家族にとって、プライベート医療費は移住先の長期的な経済持続性と適合性を大きく変える可能性がある。
「プライベート医療費は世界中で上昇していますが、そのペースとパターンは劇的に異なります。 経済的余裕のある人と、十分な保険に加入している人のみが最高品質の医療にアクセスできる、二層構造の医療制度が増加しています」と、SIPメディカルファミリーオフィス (SIP Medical Family Office) のCEO、ケビン・バーチラー (Kevin Buerchler) は指摘している。 「グローバルな家族が必要としている品質とアクセシビリティを備えているのは、ごく少ない優れた医療拠点のみで、そのため医療の質とコストを見極めることがこれまで以上に重要になっています。」
費用が最も高い地域、およびショックが生じ始めている場所
本指数は、従来から費用が高い地域が上位となっていることを裏付けている。 米国はプライベート医療費が世界で最も高く、IPMIベースの年間平均費用は1人あたり17,969米ドル (約279万1,396円) であり、次いで香港 (16,175米ドル (約251万2,707円))、シンガポール (14,231米ドル (約221万716円)) が続く。 これらの市場は、保険料と家計の医療費予算に高い基準を設定している。
しかし、移転計画においてより重要なのは、従来の拠点を超えた予期せぬ変化である。 アジアの新興地域が高コスト層に突入し、今や、中国、タイ、台湾が世界で最も高額なプライベート医療市場の上位12カ国に名を連ねている。 高級な国際病院に対する強い需要と医療のための地域への旅行が、日常的な外来診療が比較的安価な地域であっても入院費を急騰させている。これにより、移住する家族にとって、予算上に重大な予想外の状況が生じている。
欧州、中東、高い価値を提供するその他の地域
欧州はプライベート医療費の格差が最も大きい地域の一つであり、英国、ギリシャ、スペインは同地域で最も高額な市場に挙げられる。これは英国とギリシャの保険料税 (Insurance Premium Tax: IPT) が一部要因となっている。 スイスは中位に位置し、医療費が高いという同国の評判が、国際的な家族にとって必ずしもIPMIのエクスポージャーにつながるとは言えないことを示している。
中東ではアラブ首長国連邦が世界で10位に入り、高級医療インフラの急速な拡大と医療ツーリズムに対する意欲を反映しており、高品質な医療にアクセスできるが、それに見合った高額な費用がかかる。
医療の質と支払い能力のバランスを求める顧客にとって、アフリカとラテンアメリカの大部分は、比較的コスト効率の良さを維持している。 モロッコは年間6,251米ドル (約97万1,237円) で世界で最もコストが低い市場であり、ルーマニア、ナイジェリア、エジプト、ケニア、南アフリカなどの低コスト国と並んでいる。 主な例外はブラジルで、世界7位に位置付けられており、一部のラテンアメリカ地域が、高級プライベート医療で従来の高コスト市場と肩を並べる存在になりつつあることを示している。
移住する富裕層への影響
富裕層の移住が増加する中、プライベート医療費のエクスポージャーは居住および市民権戦略における最優先の要素となりつつあり、補足要素ではなくなってきている。 SIP医療費指数は、世界的に移動する家族とそのアドバイザーに対し、新たな居住地、第2の居住地、あるいは複数拠点での生活様式を選択する際に、長期的な医療予算を予測し、隠れた高額出費の罠を回避するための実用的な比較ツールを提供している。
報道関係者向け問い合わせ先:
サラ・ニクリン (Sarah Nicklin)
グループ広報部長
sarah.nicklin@henleyglobal.com
携帯電話: +27 72 464 8965